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英国ケルティック・パンクの老舗、レヴェラーズの新譜「Static On The Airwaves」は貫禄の仕上がり [音楽:西欧]

懐かしいバンドが帰って来ましたねぇ。Levellers。80年代末から活躍する大御所。だいぶオッサンになっちゃいました。と言っても作り出す音楽はあいかわらず若々しい。




レヴェラーズはイギリスはブライトン出身。なんかよく「アイリッシュ・パンク」なんて表記してるの目にしますが、イングランドだから!バンド名だって、ピューリタン革命のnew model armyから来てるんしょうしねぇ。まぁ細かいジャンル分けにこだわるのは音楽を楽しむってのには本末転倒ですが、それにしてもケルト系のものをすべてアイリッシュって言っちゃうのは問題あると思いますよ。それってまるで、沖縄の三線指して津軽三味線って言ってるみたいなもんじゃ。まぁLevellersに関しては、ベースのJeremyの苗字「Cunningham」なんかはスコティッシュ系だったりしますし、「ブリテッシュ・バンド」って言ったら間違いないのかな。

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Levellersとの出会いは、1991年かな。セカンドアルバム「Levelling The Land」発売直後に、今は無き渋谷の「Frisco」で。Friscoも開店当初はプログレ系強かったり、面白い品揃えしてたんですよね。Gentle GiantのCDもここで買った。で、わたしは今でも、このセカンドアルバムがLevellersの最高傑作だと思ってます。「One Way」に始まって、活きのいい曲がどんどん続く。

とにかく熱いアルバム。フォークランド紛争に関して歌った「Another Man's Cause」とか、いわゆるプロテストソングのオンパレード。Jonathan Sevinkのフィドルも大活躍。


これに先立つデビュー・アルバム、「The Weapon Called Word」。これまた素晴らしいアルバム。熱いです。イギリス特殊部隊とIRAとの軋轢を歌った歌でしょうか、「Barrel Of A Gun」とか、あるいは、プログレッシブなサウンドが印象的な「Three Friends」とか。


そして93年には、満を持して、といいますか。セルフタイトルアルバム、「Levellers」を発表。このアルバムから、日本盤CDも出るようになったと記憶してます。一曲目から、「The Kick Horns」ホーンを迎えて、威勢のよい滑り出し。かの「It Bites」のデビューアルバム「The Big Lad In The Windmill」にも参加してる、あのKIck Hornsですよ。その後も前作までの勢いを受け継いだ曲が続きます。8曲目のバラード、「Julie」には、 PoguesのJem Finerまで参加してます。Jemと一緒にやるぐらいだから、アイリッシュだのブリティッシュだのにこだわる意味は無いのですが。


その後も「Zeitgeist」、「Mouth To Mouth」とアルバムを発表していきます。いかにも彼ららしい曲が詰まったルバムたちですが、だんだんマンネリ化してきた印象も。

2000年に、「Hello Pig」を発表。これが起死回生とまでは言いませんが、ビートルズ的な風合いも漂わせる上品なブリットポップになっていまして、とてもよい。




キーボードの全面的な参加が、サウンドにポジティブなインパクトを与えています。曲も深く練り込まれてまして、後半の組曲的展開なんか、プログレ的感動を与えてくれます。しかし、セールス的にはあまりよろしくなかったようですね。メジャーとの契約も切れてしまったようで、この頃から低迷期に入ってしまいます。

2002年には「Green Blade Rising」を発表します。オフィシャルサイトでニュースは見ていたんですが、これは長らく国内で見かけることがありませんでした。あるところにはあったんでしょうが、当時のわたしは探しだせなかった。今ではiTunesとかで全アルバム買えますが、これはまだ買ってないんですよね。

そんな中、2005年ごろには自分たちのレーベル、「On The Fiddle Recordings」を立ち上げます。そこからライブアルバムなどを発売し、そして2008年には、「Letters From The Underground」を発表。デビュー当初の情熱が蘇ったかのようなナンバー、「The Cholera Well」で幕開けし、その勢いがアルバム全体を貫いています。


でも、なかなかいいアルバムなんだけど、わたしには、ちょっと一本調子に聴こえてしまう。もう少しひねりがあるとよかったかな。

そして先月末に、「Static On The Airwaves」の発売!前作の勢いとともに、「Hello Pig」の実験性を若干まぶしたようなアルバム。冒頭にPVを紹介したシングル「Truth Is」のような軽快なトラッド風ナンバーもあれば、メローなバラード「After The Hurricane」、Jonathanのフィドルが大活躍な「Our Forgotten Towns」、などなど、爽快な曲が続きます。これはとても買い!



でもやっぱりLevellersは初期2作が最高かな。
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