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「Rasputina」と「Zoë Keating」 [音楽:北米]

先日の定額配信の問題に関する記事で、「Zoë Keating」の話が出ましたが、彼女は一時、「Rasputina」のメンバーだったんですよね。
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Rasputinaは、チェロ奏者Melora Creagerが1989年に結成したNYのアバンギャルド・チェロ・ロック集団。1996年に「Thanks for the Ether」でデビュー。ヴィクトリア朝的ファッションに身を包み、ブルース/パンク/クラシックなど雑食的に取り込んだサウンドがとてもユニーク。それがMarilyn Mansonに認められて一緒にツアーしたんだったかな?以前「Regine Ollsenn」について書いた時にちょっと名前出しましたけど、わたしの好きなバンドの一つです。
参考記事:
サンクトペテルブルクのelectric coldwave、「Regine Ollsenn」

Zoëは、2004年の「Frustration Plantation」と、翌年のライブアルバム、「A Radical Recital」の2枚に参加。


その後バンドを離れてソロとして活動してたのは知ってましたが、でもアルバムは実はまだ買ってなかった。なので、この機会に買ってみました。


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現在のZoëの特徴は、サンプラーを使ってリアルタイムにメロディを重ねていく、「同時多重演奏」。正直言って、手法としてはそんなに目新しいものではないですね。Jacoとかが70年台からディレイループでベースサウンドのループトラックを作ってその上でソロやってたのも有名。


このJacoのライブ、LDで持ってるけどむちゃカッコいい。

で、話がそれましたが、当然Jacoの頃とは時代が違いますから、Zoëはサンプラー駆使して、カノン的にメロディを重ねていくわけです。リアルタイムで「ひとりチェロオーケストラ」を作り上げていく。ゆえに対位法的要素の把握とか、作曲センスが問われてしまう。Wiredの映像見ると、フレーズループのコントロールはどうやっているのか不思議。MacBook Proの画面、「Ableton Live」ですよね?Liveは使ったことないのでどうやってるのか全然見当つかないけど、予めMidiプログラミングがしてあるのかな?だとするとインプロとかの要素はあまり入らない?

で、Soloデビュー・アルバムの「One Cello x 16 (EP)」。16トラックのサンプリング、ってことですかね?冒頭の「Exurgency」から、緊張感あふれる音響を聴かせてくれます。

フラジオレット気味に刻まれるリズムがほのかに響き始めて、微妙にフェーズをずらしたリフが重ねられていき、いよいよ盛り上がった所で憂いのあるメロディが奏でられ始める。
2曲目「Walking Man」は、ピチカートの上でゆったりとしたメロディがかなでらる、劇伴とかに向きそうなナンバー。
神経質なトレモロがミニマル的に積み上げられ、そこへ徐々にロングトーンが重ねられていく4曲目「Updraught」、変調したサウンドがユニークな「Coda」と、聴き進むに連れてだんだん実験的になっていくのがいい。

以降、「One Cello x 16: Natoma」、「Into the Trees」と2枚のアルバムを発表しています。

それぞれ、なかなか面白いアルバムたちですが、続けて聴いているとチョトお腹いっぱいになります。多分ライブだとかなり面白いんだと思うんですよ。でも座して聴いていると、手法が手法だけに音のバリエーションが少なくて飽きてくることが否めない。動画の「Escape Artist」とか、いい曲多いですけどね。

それに対して、CAを拠点として活動するギタリスト、Jane Woodmanと共演して去年発売したEP、「Sister Europe / Tango - Single」が面白い。

Jane Woodmanって全然知りませんでしたが、90年代に「Van Gogh's Daughter」というバンドで活躍していたそうです。やっぱり色々な音が加わることによって、Zoëのチェロサウンドが生きてくる感じする。ちなみに「Tango」がZoë、「Sister Europe」がJaneの作曲です。バンドでの活動も増やしてくれないかな。
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