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ティルソン・トーマスのチャイコフスキー:「マンフレッド交響曲」が出てる! [音楽:クラシック]

気がつきませんでした。日本初CD化。昨年の来日公演の記念盤なのかな?

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「マンフレッド交響曲」は、バイロンの詩「マンフレッド」に基づく標題音楽。チャイコフスキーの交響曲の中では唯一番号がついていないものですが、曲はロマンティックな旋律にあふれた、いかにもチャイコフスキーらしい作品です。番号付きの作品、特に4~6番の後期交響曲と比べて演奏される機会が少ないのがもったいない。今でもマイナーなレパートリーだと思いますけど、ティルソン・トーマスは昔っから「知られざる名曲」を手がけるのが好きだったんでしょうね。79年の録音で、LPは80年に発売になっています。まだバッファローシンフォニーの音楽監督の時かな?国内盤も同時期に出て、でもすぐ入手が難しくなりました。アメリカでは80年代後半にはCD化されたものの、日本国内では黙殺されてた。当然私は両方とも発売直後に買ってるんですけどね。

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曲の解説はWikiにお任せするとして、MTTがこの佳曲をいかに調理しているか。
ストーリー性のある点とか、ベルリオーズの「幻想交響曲」と比較されたりもするこの曲。MTTはRCAとKeeping Scoreシリーズに「幻想」の録音もありますが、そちらでは自在にテンポを揺らしてロマンティックな音響を作り上げていますけど、「マンフレッド交響曲」では、テンポ・ルバートはあまり目立ちません。むしろキビキビと曲を進めてゆき、パートごとに旋律の対比を引き立たせ、引き締まった音像を築き上げている。チャイコフスキーは泣きのメロディ満載なので、あんまり見得を切ると三文芝居になりかねませんから、このアプローチは大正解。特に4楽章にみせるリズムのキレの良さなど、ロンドン響の機能性を最大限に生かした名演になっています。そんな中で3楽章のロンドでは、冒頭の主題を比較的ゆったり歌わせて、中間部の焦燥感ある第2主題やマンフレッド主題と鮮やかな対比を作っていく。メローな展開がたまらない。録音はちょっと古いですが、未だに色褪せない名演だと思います。



カップリングは、これまた演奏機会の乏しいチャイコフスキーの「組曲第2番~第4番」。これは日本でLPすら出なかった。LP時代は海外盤も見つけられなくて、CD化されてから2番と4番は買いました。でも3番は持ってないんですよねぇ。そのためのだけに買い直すのもなんだかなぁ。ダウンロード販売があればいいのに。

MTTは他にもCBS時代にチャイコフスキーのバレエ、「白鳥の湖」と「くるみ割り人形」の全曲録音しています。これはどちらも日本版は出ていなかったんじゃないかな?両者とも長らく日本では入手が難しく、「くるみ割り人形」の方は発売後すぐ買えたんですけど、「白鳥の湖」は10年ぐらいまえまで手に入らなかった。今では輸入盤が普通にAmazonで買えますね。しかもむっちゃ安い。

ぶっちゃけ言うとですね。白鳥の湖は、それほど好きな曲ではないので、MTTであってもさほど楽しくなかった。

一方の「くるみ割り人形」は、ハイライトしか売ってない。ですが、カットされてるのは「Scene 10 & 11」だけのようなので、「ほぼ全曲盤」と言っていいか。
こちらの方はMTTらしい切れのある演奏に加え、「Scene 6: Clara and the Nutcracker」で、柱時計の音にエフェクトかけておどろおどろしさ演出したり、続く「Scene 7: The Battle」ではおもちゃの楽器を使って見たりとなかなかユニーク。愛聴盤です。


それと、以前にも記事にしたMTTのデビュー・アルバム、チャイコフスキーの交響曲第一番「冬の日の幻想」も、ドビュッシーの映像とカップリングでAmazon mp3から出てますね。

iTunesでは出てない。なんでだろう。とにかく、これは珠玉の名演。MTTの若さあふれる爽快な音作りが堪能できる絶品なので、是非とも多くの方に聴いて欲しい1枚。

あと忘れていけないのは、Keeping Scoreシリーズから出ている、チャイコフスキーの交響曲第4番。

一楽章冒頭からゆったりとしたテンポで緊張感あふれる音空間を作っていく。随所でテンポを動かし、SFSOの美音を徹底的に引き出す名演。

でもこの曲に関しては、アバド / VPO盤の方が好きだったりします。なんせ、わたしが初めて買ったクラシックのアルバムはこれなんで、想い入れが強い。

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