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ダイナミックドライバとバランスド・アーマチュアのハイブリッドなのに安価なイヤモニタータイプのカナル型イヤホン、「KZ ZSN」を購入した [音楽:イヤホン]

4/21追記:「Pro」が出たけどこっちのほうが明らかに音が良い!近々レビューします!


ーーーーここから元記事ーーーー

これまで自宅ではソニーの「XBA-100」をレファレンス的に使用してきました。
関連記事:ソニー製カナル型イヤホンの新製品、「XBA-100」を買ってしまった!

もう4年以上前の製品ですが、未だ現役製品としてソニーのカタログにラインアップされている、とても息の長い商品。艶やかな音響が評判高く、わたしも買った当初はとても気に入ってたはずなんですけど、最近音質が不満になってきた。なんか艶やかさが後退した感じ。
その理由の一つには、外出用のKZ-HD9の音に毒されてきたことがあるかもしれない。
関連記事:爆安なのに驚異的に高音質なイヤホンを連発する深圳の新進メーカー「Knowledge Zenith」の新作、「KZ-HD9」を購入した

XBA-100は高音域は艷やかですが低域はもともと薄いところがありました。それに対してHD9は低音盛った感が結構ありますから、それに好みが引きづられてきたのはあるかもしれない。
でもそれだけだとXBA-100の華やかさが後退したように感じる理由にはならない気もする。単純にXBA-100が経年劣化したんじゃないかとの疑念が。
なにせ、本体周りに緑青が盛大に発生してるんですね。イヤーピース外すと音道管の周りとかものすごい。これがもしかしたら内部にも発生して、悪影響しているのではと疑っています。買い直して新品と比較すれば答え出るんですが、XBA-100のお値段で中華イヤホンいっぱい買えちゃうから、いまさら?

なのでレファレンスの更新を検討してた。最近のイヤホンは、従来のメジャーなブランド以外からもどんどん優秀な商品出てきますし。
例えばコンビニやホームセンターでよく売ってるスマホ用品なんかでおなじみの「多摩電子工業」の手がけるイヤホンブランド「fine Ears」。コンビニ商品メーカーってことで性能不安視する人もいるかも知れませんが、試聴した限りではなかなか高品質。TSH-HR500なんかはハイレゾ対応のナチュラルサウンドで4000円弱とお値段もお手頃でいい感じ。ただわたしの好みから言うとちょっと低音厚すぎ。


あるいは「SoftBank SELECTION」のイヤホンもいいの多いですよね。


でも、どこか音に癖があったりとか、レファレンスに使うには一長一短な感じがあって購入まで踏み切れてなかった。ならば以前購入した「KZ-ED9」をとりあえず使ったほうがいいかなー、と。
関連記事:高音質なのに低価格。なにかとうわさの中華イヤホン、「KZ-ED9」購入。

そんな中、昨年秋にKZブランドからまた新製品が。


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以前にも書きましたけど、「KZ」は、中国の深圳市原泽电子有限公司(ShenZhen YuanZe Electronics Co.Ltd)が展開するイヤホンブランド。廉価で高音質なコスパ高い製品乱発してる。わたしが持ってるのはその中でも3機種だけですが、皆ダイナミック型で、バランスドアーマチュアの商品に興味持ってた。KZ-AS10とか。でも中華イヤホンに5000円は出したくないなぁ、と。

そこへ来て、本商品。1BA+1BAのハイブリッド。ZSTの後継機種に相当するんですかね。ZSTもまだ現役ですが、以前ヨドバシで試聴したときには、「悪くはないけど〜」っていう印象だった。でもHD9の音聴いてると、新製品には期待してもいいかなという気になりまして。

試聴しないで買って音悪くても、1000円以下の安物だったら全然気にならないけど、4~5千円ぐらいしたのに変な音だったらちょいと腹立つ。で、2000円でハズレだったら、微妙かなー。ってなわけで、本製品のお値段は、amazonだったら2000〜2500円ぐらい。評判だけで買うのはちょっと躊躇するけど、ebayでMic/リモコン付きモデルが1500円ちょいで売ってたので購入してしまいました。

中国の業者から買ったはずなのになぜか商品はオランダからの発送。3週間ぐらいで手元に届きました。

1000円以下の廉価製品と違い、ちょいとおしゃれめな箱に入ってきました。箱で商品選ぶわけではないですが、しょぼい箱に入っているより気分いいですね。
1:箱.jpg

リケーブルに対応しています。
2:筐体.jpg

端子はMMCXではなくて2PIN。断線したときにケーブル簡単に交換できるのはよいけど、下手したら本体より高い。ケーブル交換による音質向上とか期待しないほうなので、安いリモコン付きケーブルがあれば考えるんだけど。


ケーブルは従来のゴムゴムしいのではなく、編み込みタイプ。絡まりにくくなって良いです。プラグのあたりはケーブルをカバーするように耳たぶに添わせやすいように形状が作られた透明なカバーが覆っています。この、まさにプラグの位置に左右表示がありますが、これがとても見にくくて最初わからなかった。
3:ケーブル.jpg

KZはリモコンが右が定位置なので、それで判断しましたが。あと、本体には左右表示がない。ちょっと不親切ですね。

イヤーピースはデフォルトでついてくるものの他に、大中小と付属。わたしは大型なものがぴったりきました。

それでは音の評価を。まずはオーケストラの再生能を感じてみます。サロネン=ロス・フィルによるバルトークのオケコン。


一楽章冒頭の、低弦の導く主題に絡む静謐な弦のさざめき。倍音のうねりが妖しげな世界を奏でますが、これが実に生々しく描写される。あるいは終盤の金管によるコラール。朗々と鳴り響くアンサンブルの中でも、個々のパートが明瞭に分離し美しい。
あるいは2楽章のピツィカート。低弦はゴリッと存在を主張し、ヴァイオリンとかは軽やかに跳ねまわる。
終楽章のフーガも、各楽器の絡み合いが明瞭に聴き分けられて楽しい。

てな感じで、楽曲を明快に描きあげる高性能な音質で、その点はとても評価できるんですが、でも、ちょ~と、ちょっとだけなんですけど、なんか物足りない。音の広がり?残響とかは美しく響くんですけど、音場感が狭いというか、なんか、オケが近くて、なおかつ天井が低く感じられる。特に中央部が奥行きが感じられない。コンサートホールではなくスタジオでの演奏、みたいな。定位が明瞭で個々の楽器の音色がかなりリアルに感じられるのは、それはそれで楽しいんですけど。

この物足りなさの原因を探るために、例によって、アプリ「Signal Generator」で、聴感上の周波数特性を確認してみます。


スペックは「20-40000Hz」と、ハイレゾまでカバーするレンジを謳ってますが、ハイレゾかどうかはさておき、聴感上でも音域は広いです。低音良く出てる。20Hzまで感じる。さすがにここまでの低周波は「音」っていうよりは「ビート」って感じだけど。かと言って低音が過剰に出過ぎるわけではないので、パーカッションもタイトに鳴る。
高音も10kHz以上はなだらかに減退。他のKZ製品と違わず、素直な再生音。木管が艶かしく謡い、弦のフラジオレットとか妖しすぎるぐらいクリア。

ですが、5kHzから6kHzにかけてが薄くなっているのが目立ちます。このくぼみが音場の広がりに若干の悪影響を与えているのではないかと邪推。ですが楽器の分離の良さには大きく貢献していると思われます。

ってな具合にオーケストラでは若干の不満はあるとはいえ、価格からは想像もつかない高品位な再生音。このタイトな再生音は、ジャズ/フュージョン系の再生に向いてるかも。
例えばJohn Patitucciの1stソロ。

80年代のフュージョンシーンを代表するアーティストの1人。いかにもGRPなきらびやかなサウンドが、華美になりすぎず上品に鳴り響きます。本機は不快な付帯音が目立たないので、各楽器の分離が明瞭。幾層にも重ねられたシンセサウンドも明快に聴き分けられ、低音も素直に伸びているのでバスドラやフロアタムなんかも腹に響くし、金物も耳に刺さることはない。そしてサックスやベースのソロはしっかり定位し、朗々と鳴り響く。購入時には正直ここまで素敵なサウンドは期待してなかったので、嬉しい誤算。

ツイン・ベース!!Jonas Hellborgの変態プレイが堪能できる無骨なハードロック、「Jonas Hellborg Group」。


ベース2人にドラムスという変則トリオ。しかもJonasはフレットレスとフレッテドのダブルネックだし、対するAnders Nordは4弦から10弦までの他弦使い分け。それにフラワー・キングスのJaime Salazarが絡んでくるという狂気/狂喜の変態トリオ。一聴して脳筋かと思いがちな編成ですが3人の職人芸により至高のプログレ・ジャズに昇華している名作。近年のインド音楽に傾倒したHellborgもいいけど、ストレートにロックなHellborgもまた良し。
編成的に、どうしても音がこもりがちなわけですよ。凡百のオーディオだとこもった音響でただの脳筋ロックにしか聞こえない。解像度高い機材だと細かなアンサンブルが聴き分けられて作品の真価が感じられる再生が難しいアルバムです。それが本機では、各パートがとても良く分離することにより、対位法的なベースの掛け合いやらユニゾンやら明瞭に聴き分けられることによって音楽に没入することができます。
こんな名作が現在廃盤なんですね。なんとも残念な。

室内楽もきれいに響く。ED2のレビューでも取り上げたけど、Paul ZukofskyのGiacinto Scelsi「Anahit」。

前にも書いたけど、この曲はLP時代にはなんとも茫洋な音像としか捉えられなくて、Zukofskyにしてはなんと凡庸なと思ってたのが、ED2で聴いたら緊張感あふれる音響的作品であると気付かされたわけです。そのように再生が難しいこの曲、それが本機で聴くとより一層音の響きが立体的で透徹に感じられまして、まだまだ新しい発見があることに驚いてます。

実はこの曲、もう一枚持ってる。スイスの作曲家、Jürg Wyttenbachがポーランド放送クラクフ交響楽団?Orchestre De La Radio-Télévision Polonaise De Cracovieを指揮したScelsi作品集。

このアルバムも以前は単調な音響として放置してたんですけど、今回思い出して引っ張り出してみたら、本機で聴くとロマンティックに響いて意外と面白い。

ボーカルやコーラスは?クレール・ジボーの指揮によるミヨーの合唱曲集、「Un petit peu d'exercice, Un petit peu de musique, Récréation」


「ちょっと音楽を Un petit peu de musique op. 119」「リクリエーション Récréation op. 195」「少し練習を Un petit peu d'exercice op. 133」「ヴィルドラクによる5つの歌 5 chansons de Charles Vildrac op. 167」と、少年少女合唱のための音楽を中心に集めたアルバム。瀟洒でかつ諧謔性にも富んだミヨーの魅力に満ち溢れた楽曲が並んでいる名盤。コーラスがオケと混じり合わずにきちんと分離し、ソロはしっかり前方に定位する。明快な音像が気持ち良い。

お出かけのお供にはどうか。持ち出して数日試してみました。遮音性が高いので電車の中とか騒々しいところでもしっかり音楽楽しめます。ただこれはHD9でも言えることで、特に本機ならではの利点ってわけではないです。
一方で、筐体が大きめなので、耳殻に接触する面積が広いため、この季節は耳が冷たくてつらいかも。車内ならともかく、屋外で特に風が強かったりしたら余計。
なのでお出かけ用にはHD9に軍配が上がります。400円ならなくしてもほとんどダメージないですし。

まとめると、本機は高解像度の音響が魅力的。オケではそれが細部が明解に聴こえる利点ともなる反面、残響に浸るような、雰囲気に身を委ねるみたいな聴き方はできない。
スタジオモニター的に細部を聴き込むスタイル向け。かと言って変に刺さるようなことはない。
小編成のものはジャンルを問わず軽快に鳴るのがよい。価格を遥かに超えた高品質。とりあえずうちではXBA-100を押しのけてレファレンスの地位を確立しました。
KZは4機種目ですがいずれの価格帯でもハズレがないのに感心。

では本機はおすすめする価値はあるか?
わたしが持ってるKZの商品のなかでも、コスパだったらHD9が圧倒的に高いです。なにせ400円台。それでいて充実の低音。amazonで買ったらもうちょっと高いかもですが、それでも音質から考えたら破格。格安スマホの音をアップグレードって人にはお買い得。
それに続いてED2かな?価格から考えた購入層から予想すると若年層?素直な音よりはドンシャリ系が受けそうなのでHD9に軍配が上がります。
ED9もいい音ですが、コスパという点では上記2機種よりちょっと後退するかも。iPod touchと相性悪いのも減点要因。
それらに対して本機はかなり高品位な音質が売り。変に特定の帯域を強調することもないし、音の密度?も高め。単純にコストパフォーマンスだけだったらHD9等の安価な製品に負けるかもですが、音楽をじっくり聴き込もうと思ったら間違いなくこちらに軍配。ちょいと褒め過ぎかな?
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