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MacBook Pro 13inch early 2011をFusion Driveにしてみた [Mac]

今更かもですが。

今月始めに開催されたApple WWDC 2019では、次期MacOS「Catalina」の発表がありました。iTunesの分割、MacアプリとiOSアプリを統合する「Project Catalyst」など、興味深い発表がてんこ盛り。
WWDC 2019のハイライトシーン

最新の技術でMacがますます快適に、便利になるのはありがたいことです。が!
もうすでに発表されていることですが、Catalina以降では32bitアプリが完全に切り捨てられてしまう。
AAPL Ch.「Apple、macOS 10.14 Mojaveが32-bitアプリをサポートする最後のmacOSになると発表。QuickTimeやJava 1.6フレームワークも廃止へ。

レガシーなシステムをどんどん切り捨てるのはAppleならではの合理性。昔のアプリは確かに使う頻度はどんどん少なくなっていますが、過去の遺産をすべて捨て去るのは不便な面もあります。
かと言って、最新のOSに移行せざるを得ない状況もある。例えば先日買い換えたiPod touchみたいにiOS機器が新しくなったら、そのバックアップやらファイル管理やらをMacでするためには、OSのバージョンアップが要求されてしまう。
関連記事:第7世代 iPod touch 買った!

なので、旧OSでの作業用に、押し入れの中でホコリを被っていた「MacBook Pro 13inch early 2011」を復活させることにしました。

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1:はじめに
2:Fusion Driveとは
3:Fusion Drive構築の準備。
4:換装の実際
5:SATAポートの規格(?)の違い
6:OSのバージョンアップとTrim
7:まとめ

1:はじめに
Early 2011から現在使用中のRetina MacBook Proに乗り換えた理由は、内蔵ハードディスクのフレキケーブルが頻繁に断線するなど、故障が目立ってきたから。メモリやHDDの換装しやすさなど、光学ドライブモデルの拡張性は気に入っていたんですね。
early 2011が現役だった当時から、光学ドライブをHDD/SSDに入れ替えるとかハックとか、定番になってましたよね。

しかも最近、SSDが驚くほど安くなっている。2.5インチSATA SSDだったら1TBで1万円ちょい、と、HDDとほぼ変わらないぐらいと言ったら言い過ぎだけど、1年前と比べたら3割以上値下がりしているんじゃないかと。SSDへの乗り換えのハードルむっちゃ低くなってるので、これを機に改造に着手することにしました。

SSD安くなってるので単にHDDと入れ替えるだけでも良かったのですが、2.5” HDDが何台も余っているし、どうせなら、遊んでみたい。ということで、今更ですがFusion Drive構成にすることにしました。

2:Fusion Driveとは
Fusion Driveについては多くのウェブサイトで説明がありますから今更わたしがなにか述べることもないと思いますが、一応簡単な記述を。
参考リンク:
ウィキペディア「RAID
Appleサポート「一部の Mac のストレージオプションである Fusion Drive について

Fusion Driveとは、複数のストレージを1つのストレージとして扱う技術です。いわゆる「RAID(Redundant Arrays of Independent Disks)」技術のようなものですが、個々のドライブを等価に扱うのではなく、転送速度で順位づけして、速い速度のドライブにはOSやアプリケーションなど頻繁にアクセスする情報を、遅いドライブには保存ファイルなどアクセス頻度の低い情報を、という形でOSが自動的に振り分けることにより、システムパフォーマンスの向上とストレージの低価格大容量を両立させる技術。
SSDとHDDを独立したストレージとして用意して、SSDにシステム、HDDにファイルと人力で振り分けても同じことですが、ファイルの振り分けやらコピーやらを考えながらやるのはかなりの手間。例えばiTunesのライブラリを外付けに移行したら、そのパスをiTunesに設定したりとかもしなきゃいけない。そういった手間をすべて自動で最適化してくれるたいへんありがたい仕組み。

3:Fusion Drive構築の準備。
光学ドライブとSSD/HDDを入れ替えるためには、当然ディスクのマウンタが必要となります。
実は光学ドライブはとっくに抜き出してありました。Retinaモデルで使うDVDドライブ、最初は旧MacBook Proとの光学ドライブ共有で済まそうと思ってたのですが、ドライブの共有でファイルの読み込みとかできても、iTunesに認識させてCDのリッピングとかはできなかった。かといって目の前に光学ドライブモデルが有るのに外付け買うのも癪に障るので、early 2011の将来的な改造も視野に入れて、抜き出してケースに入れて使ってました。

なので、↓のようなHDD/SSD SATAマウンターもすでに手に入れてMacBook本体にインストール済み。


ですからSSD入れるだけ。利用したのはこちらの品。

タイムセールで安くなってたので、ポチッとな。
これに、HGSTの1TB HDDを組み合わせます。

ちなみに取り出した光学ドライブはケースが必要となります。わたしは↓こんな感じのスロットインドライブ用ケースを購入しましたが、このケースは12.7mm厚スリムドライブ用。それに対しMacBook Pro early 2011のドライブは「スーパスリム 9.5mm厚」。そのまま入れるとディスクスロットの位置がケースと合わないので、クッションで厚みの調整の必要がありました。購入時にはご注意を。

場合によっては、ケースに入れずにケーブル繋ぐだけでむき出しというのも手かも。


4:換装の実際
改造の手順などは、ネットにいっぱいありますので、そちらを参考にしていただければ。「IFIXIT」は懇切丁寧ですよね。
MacBook Pro 13" Unibody Early 2011のデュアルハードドライブのインストール方法

RAMのインストールやらHDDの交換やら、ちょくちょく裏蓋開けてたので、とりあえずSSDへの換装はすぐに完了。インストール済みだったHDDマウンタを再度取り出してSSD入れるだけ。ここで、光学ドライブベイにSSDを入れるのは良い選択ではないことに後で気づきましたが、まずはfusion driveを構成する手順を書きます。

参考にしたのはAppleのサポートサイト。
Fusion Drive が分割された場合の修復方法
これは純正のfusion driveのメンテ方法を公開しているんだと思うんですけど、自前でfusion driveもどきを作る際にも応用できる模様。
OS10.9「Mavericks」のバックアップディスクがあったので、そちらを利用。外付けから起動して、上記の記事内の「macOS High Sierra 以前をお使いの場合」に従い、SSDとHDDを統合。実に簡単に1.11TBのストレージの完成です。
FusionDrive容量.png

次に「ディスクユーティリティ」の「復元」を利用して、前述の「Mavericks」バックアップをまるごと入れます。面倒なことに昔使っていたFirewire800ケースは異様に熱くなるので破棄しちゃってたんですね。early 2011はUSB 2.0にしか対応してない。400GBぐらいの容量移行するのに7時間ぐらいかかってしまいました。もちろん寝てる間にやりましたよ。

さて、再起動。実に速いです!20秒ぐらいで起動。古いOSとはいえ、HDDでは下手したら2分ぐらいかかるのが、実に1/10の時間で起動してしまう。これは感動です。まだまだ現役で使えてしまうパフォーマンス。

5:SATAポートの規格(?)の違い
ここまでやって気が付きましたが、「システム情報」でSATAの接続状態をか確認をしたところ、HDDベイのリンク速度が「6ギガビット」なのに対して、SSDをインストールした光学ドライブベイは「3ギガビット」!光学ドライブベイ用のポートはSATAIIなんですかね?これではせっかくのSSDの速度アドバンテージが活かせません。仕方がないのでもう一回開腹して、SSDとHDDをスワップ。すべての作業やり直しかー、と思ったら、入れ替えしても、ちゃんとFusion Driveの構成は保たれたままなんですね。賢いです。7時間のバックアップ復元をもう一度、とならなくてよかった。

6:OSのバージョンアップとTrim
嬉々としていじっているうちに気がついたのですが、シャットダウン時にきちんと終了しない。デスクトップ画像などが消えたあと、プログレスバー?のぐるぐる回転がしばらく続いたあとに完全電源OFFに移行するはずが、グレーの画面が表示されたままうんともすんとも言わなくなってしまう。数分待っても何も起きないし、電源も落ちない。仕方がないので電源ボタン長押しで強制終了をせざるを得ない。PRAMのリセットをしても、SMCのリセットをしても、全く状況改善されない。

あと、「Trim」。SSDは使えば使うほど遅くなる可能性があるので、それを回避する仕組みがトリム。とか書きながら、何が何だかいまいちよくわかってなかったりします。ウィキペディア「TRIMコマンド
SSD購入しただけでTirmは有効になってないので、手動で設定しなければいけません。Mac OSもEl Capitan以降は「Trimforce」コマンドでTrimを有効にできるそうですが、Mavericksは対応していない。
参考リンク:OS X 10.10.4 Yosemiteから実装されたサードパーティ製 SSDのTrimを有効にする「trimforce」コマンドの使い方と注意点&ブラックリスト。
次善の策として、サードパーティアプリ、「Chameleon SSD Optimizer」を入手してみましたが、デベロッパーのサイトではMavericks対応と書いてあるのに、有効にすることができませんでした。

仕方がないので、両者を解決するためにOSを「Yosemite」にバージョンアップすることにしました。

旧OSのインストーラー作っておくつもりで、全然作っていませんでした。なので、「AAPL Ch.」のこちらの記事を参考に、「Yosemite」をゲット。
OS X 10.7 Lion ~ macOS 10.13 High Sierraまでのインストーラーアプリをダウンロードし、USBインストーラーを作成する方法。

「Yosemite」に上げたら、シャットダウンできない問題はあっさり解決しました。「trimforce」も問題なく機能。ついでなので「FileVault」も入にして暗号化。暗号化すると起動時にオートログインができなくなり、パスワード入力の手間が増えますが、それでもパスワード入力してから30秒もしないうちに起動完了と、快適性はそのまんま。SSD化の恩恵ありがたすぎです。

7:まとめ
最終的なパフォーマンスを「AmorphousDiskMark」で測定してみました。
AmorphousDiskMark - Katsura Shareware
SSDベンチマーク.png
SSDの性能をフルに発揮できているようです。ただ当然HDD領域に読み書きするときはHDDの速度になるわけでこんな速度は出ませんが、メインマシンじゃないので何ら問題なし。これであと数年戦える。

しかも公式にはMojaveやCatalinのサポートから外れた本機ですが、パッチを当てることによりインストールが可能になる模様。
参考リンク:
macOS Catalina非サポートのMacにCatalinaをインストールすることができる「macOS Catalina Patcher」のBetaテストが開始。
システム要件を満たしていないMacにもmacOS Mojaveのインストールを可能にするパッチ「macOS Mojave Patcher」がmacOS 10.14.4に対応。
Fusion Drive化の当初の目的が32bitアプリ対応なのでMojaveやCatalinaに上げるつもりはありませんが、メインマシンが故障したときなどの非常時のバックアップにも使える。充分満足な結果が得られました。

実はホコリを被っているMacはもう一台、「Mac mini Mid 2010」もあるんですねー。iTunesサーバーぐらいには使えそうなので、調子に乗ってそちらも改造してみようかなと思っています。
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