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ロシアのNu-jazz、「Kubikmaggi」 [音楽:ロシア]

「Kubikmaggi/КубикМагги」は、2001年にサンクトペテルブルク人文労働組合大学で出会ったベースのMax RoudenkoとギターのVlad Avdeevが、ピアノ&ボーカルのKsenia Fedorovaを加えて結成。2005年にはドラマーにIlya Varfolomeevを加えて、カルテットでの活動を開始しています。その後いろいろ紆余曲折があったんですかね?ドラマーの交代を経て、ようやく2008年にデビュー・アルバム、「Оно Не Требуется(Needless)」を発表しています。




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彼らのサウンドは一口で言うと、なんて無理(おい!
まぁジャズロックといいますか。一聴するとKseniaのアグレッシブなピアノとキュートなボーカルのコントラストに耳がいきますが、それに絡むVladの強烈なギターカッティング。非常に印象的です。そこはかとなく東欧トラッドの空気を漂わせたアルバム一曲目の「Штирлиц」。ローファイな音作りのイントロから、変拍子のブリッジを経て盛り上がっていくインタープレイ。リズムセクションの2人も手数だけではなくメロディックにアンサンブルを支えています。とくにベースのMax。派手さはそんなにありませんが、自在に駆けまわるフレーズは、北欧の鬼才、Jonas Helborgを連想します。

4分前後のコンパクトにまとまった曲が続きますが、そんな中にも実にさまざまな表情が詰め込まれています。5曲目「Ветер」では変拍子も交えながらフラメンコっぽい展開を見せまるかとおもえば、6曲目「Коллапс」ではヒップホップ的展開をしてみたり。あるいは終曲「Тонкий звук」は叙情的なイントロからエキサイティングなセッションが展開されるとおもいきや、浮遊感あふれるミディアムテンポのパートを挟んでマスロック調のエンディングへなだれ込むといった、緩急自在の小組曲的展開を見せたりします。

アルバム発表後にギターのVladとドラムスのDenis Akimovが立て続けにグループを離れ、残された2人はドラマー探しながら活動を続けていたようです。そして2009年の末には初代ドラマーのIlyaが復帰してトリオとして活動を再開。2010年にはKseniaが弾き語りのソロアルバム、「Aum Ra」を発表。


こちらの曲ではKseniaの持つクラシカルな側面が強く発揮された感じ。どことなく、フランス歌曲、ってあんまり詳しくありませんが、ミヨーの歌集とか、連想します。なかなかユニークなのですが、通して聴くとちょっと飽きがくるかな。そろそろバンド出の新譜を期待しちゃいます。
追記:新譜でた!
ロシアのピアノトリオ、Kubikmaggiが、待望のセカンドアルバム発売


オフィシャルサイトのライブスケジュール見ると、ずっとロシア、ウクライナ、ベラルーシといったCIS圏内でしか活動してないみたいなんですよね。こんな素敵なバンドがワールドワイドに活動してないのがちょっと残念。

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