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フィンランドで脱力東欧トラッドを奏でてた、「Slobo Horo」 [音楽:北欧]

先日紹介したalamaailman vasaratにかぎらず、北欧にはかなりはじけたバンドがゴロゴロ居るようで。vasaratの結成に先立つ90年代にも、既に東欧~中近東の音楽を調理するバンドがチラホラと。「Slobo Horo」はそんなバンドの一つです。



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92年にアルバム「Mastika」でデビュー。オープニングの「Jasmin Jasmine」が流れた瞬間、脱力です。これはマケドニアのトラッドですが、2曲目のタイトルトラック、「Mastica」はトルコのだったり、その他、セルビア、アルバニア、ブルガリアといったバルカン周辺諸国の音楽を調理しています。冒頭のPV、「Hep Senin Icin」は、トルコのトラッド。
時代的にはHedningarnaやGarmarnaといった北欧ラジカルトラッド勃興と同時期に活躍しているわけですが、Slobo Horoの音楽的方向性は、現代のバルカン世俗歌謡といった趣。特にロマ(ジプシー)音楽に焦点を当てています。


翌年には、アルバム4曲目のセルビアジプシー歌謡、「Ciganko Moja」のリミックスEP、「My Gipsy Beauty」を発表。

じつはこのへんのスカミックスが、「Balkan Beat Box」なんかに繋がってきてるのかなぁ。


セカンドアルバム「Esma」は、1994年に発表。前作よりはトラッドの割合が減って、現代ジプシー歌謡大全的な感じですね。彼らの何がいいって、至極まじめに音楽作っているのに、下世話な匂いがプンプン!ってところですね。タイトルナンバーの1曲目「Esma」は、ボスニアの歌手、Sulejman Ramadan Ramčeの作品。東欧ムード満点の歌謡作品。


Slobo Horo盤はオリジナルよりもターキッシュフレーバーを強くして、更にアクを抜いた感じに仕上がっております。それにしても原曲のRamče、youtubeに結構映像ありますが、かなり濃い方ですね。


その他メタリックなギターが鳴り響く曲があったり、バリエーション豊かな楽曲でアルバムが構成されてます。バルカンてんこ盛り!って感じで楽しい。


その後しばらく彼らの活動の様子は聞こえて来ませんでしたが、2000年にようやく待望のサード、「Divane」を発売。これがなかなか手に入らず、数年前にやっと購入できましたが、ちょっと物足りない感じ。基本的な路線は変わってないんですが、それゆえマンネリな感じがしないでもない。何が物足りないかって言うと、やっぱり21世紀に入ったら、「Balkan Beat Box」のような新世代バルカンミュージシャンの登場により、音が時代遅れになってしまったってところでしょうか。それと、女性ボーカルが脱退しているのも寂しい原因の一つかも。


アルバムジャケットの雰囲気もガラッと変わっていますよね。

彼らのユニークなアルバム達、長らく入手困難な状態が続いておりましたが、いつの間にか、iTuens Storeで扱い始めていました。ファースト、セカンドあたりは今聴いてもかなり面白い。ぜひともこの機会に、妖しいロマの世界に身を投じてみてはいかが。
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