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マケドニアのとんがりジャズ軍団、「Sethstat」の新譜を買ったった [音楽:マケドニア]

先日「Amazon MP3 20%OFFクーポンキャンペーン」についてお伝えしましたが、皆さん何かお買い物しましたでしょうか?16日までなので欲しい物がある方はお忘れなく。
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で、わたしがキャンペーンで買ったのは、これ。




Sethstatは、マケドニアのジャズバンド。結成以来20年のキャリアがある、もうベテランの部類になるんですかねぇ。新譜って言っても、発表は一昨年ですが。iTunesやamazonでの発売が去年秋。

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デビューアルバムは1993年の「Seth Makes Sense」。LPのみで、CD化はされていない模様。これは聴いたことないんですよねぇ。わたしが彼らのアルバムを初めて手にしたのは、1996年のセカンド、「Within Yourself」。確か、出た直後に、今は無き新宿のVirgin MegaStoreで。「マケドニアの注目バンド」とかPOPが貼ってあった気がする。へぇ〜、と、試聴も出来なかったけど買ってみたら、むっちゃくっちゃカッコいいアルバムで大興奮したわけですよ。

デビュー当時のバンド名はシンプルに「Seth」。エジプトの太陽神Raの守護戦士の名前からとったのだとか。その時のメンバーは、
Vladan Drobicki: trombone
Vasko Bojadziski: alto saxophone
Aleksandar Gumberovski: guitar
Dorian Jovanivic: bass
Mihail Parusev: drums
Bojan Ugrinovski: sounds
VladanとVaskoの2人が中心人物なのかな?このあとリズムセクションが総入れ替えでセカンド・アルバムの発表になっていますが、これがすごく良い。特にギターのKliment Angelovski。Greg HoweとScott Hendersonを足して2で割るんじゃなくて、かけて平方根に入れたみたいな。って、訳わからん例えですが、「幾何平均」、って言うよりは「奇怪で変」、って、ナンノコッチャ。とにかく、変幻自在な変態フレーズ引きまくるかと思えば、堅実なコードバッキングも魅せる、素敵なギタリスト。アルバム1曲目、「Diesel Violence」は、厳かなブラスのコードから、いきなりリズムセクションが暴れだす。ベースはバキバキとスラップしちゃうし、Klimentのギターはウネウネねっとりと弾きまくるし。
アルバム全体の雰囲気は、とにかくとんがったジャズ。アシッドを経由した、avant成分たっぷりのNu jazz。ホーン入りのマケドニア音楽と言ったらジプシー・ブラスを連想しますが、彼らの音楽はさほど民族色は強くないです。このセカンドアルバムだと、2曲目「Castare」なんかはメロディが結構バルカンっぽいかな。ですが中間部ではやはりバキバキとしたスラップが入ってきてギターとバトルするなど、油断ならない展開。

ただ残念なことに、このあとすぐギタリストのKlimentが脱退しちゃうんですよね。サードアルバムのスタジオ録音も始めたようですが、それは頓挫し、代わって1999年にマケドニアのクマノボで行われたフェスティバルのライブ音源を含むアルバム、「Sethstat」を発表します。これが現在のバンド名になっている。その後マケドニア国内の紛争が勃発したわけですが、その中でも活動を持続させて、2004年には3枚目のスタジオ・アルバム、「Rolling Garage」を発表します。このアルバムではトランペットのAleksandar Nikolovskiが加入したのも影響してか、かなりレコメン的な雰囲気が強くなってます。X-Legged SallyやFESのファンにもアピールしますね。

で、ここまでの3枚から抜粋したコンピレーション、「Seth」が、iTunes及びamazonで入手可能です。わたしの一番のお気に入り、「Diesel Violence」は入ってないんですけどね。


以降アルバムの発表がない中、地道に活動を続けていたみたいですが、ようやく一昨年、満を持してニューアルバム、「Korab」を発表。去年になってタイトルを「Celestial Diorama」に変更してダウンロード販売を開始したので、入手しやすくなりました。
現在のメンバーは、
Vladan Drobicki: trombone
Vasko Bojadziski: tenor & alt sax
Aleksandar Nikolovski: trumpet
Pance Bujukliev: el.piano & synth
Pavel Drobicki: bass guitar
Goce Naumov: drums
Gunter Kube: bass clarinet (Guest on track 1 & 3)
久々のアルバム、前作よりもさらにレコメン成分増大です。1曲目の長尺、「Celestial Diorama」はシンセの不安感を煽るサウンドで始まります。暗鬱な曲調が、バルカン的なホーンが加わって次第に盛り上がっていく。で、後半曲調が一転して、ECM的な現代ユーロジャズへと変貌。Jon BalkeやRainer Brüninghausを連想させるキーボードサウンドにホーンやベースが絡みつく幽玄な曲調。
それが一転して2曲目、「X-particles vs. Y-neutrinos」になると幾分ファンキーなアシッド系のサウンドに。
4曲目「Bon voyage Cassini 2」は、長めのドラムソロから、後半、70年代のブラスロック的なテイストに突入していく。でもなんだかオルガンソロが怪しげ。
「Event Horizon」は、冒頭にYouTube動画埋め込みましたけど、AleksandarとVladanのソロがむちゃカッコいいですよね。ドラムスも絶好調。で、締めの「Four-momentum landing」は、微妙に変拍子なバルカン的リフがかっちょええ。

マケドニアもなかなか面白いです。
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