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Annbjørg Lienの最新作「Khoom Loy」は軽快なエスノ・フュージョン [音楽:北欧]

最新、といっても発売は一年前なんですけどね。今更。



Annbjørg Lienはノルウェーの伝統楽器、ハーダンガー・フィドルhardanger fiddleの第一人者。以前国内盤も出ていたことがあるからご存じの方も多いかと思います。

通常の弦の他に、共鳴弦もついて華やかな音色を聞かせてくれる。

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Annbjørg Lienは代々この楽器を演奏する家系に生まれ、自身も6歳から演奏するようになったそうです。そして若干14歳で海外へ単独公演に出るようになったそうな。すげー。
その頃の録音もありますが、ずーと入手困難だった。でも今ではiTunesなどからダウンロード販売で入手可能。伝統的なノルウェー・トラッドを奏でています。ある意味、優等生的ですが、今ひとつ面白味に欠けるところもある。


それが、海外武者修行の成果でしょうか、1989年発表の、自らの名を冠したアルバム、「Annbjørg」では、一転して実験的な内容に。ジャズ系ミュージシャンとの共演盤で、日本盤ライナーには、伝統音楽界からすごいバッシング浴びたみたいなことが書かれてましたね。けれどもその後の活躍がそんな声をねじ伏せたか。続々とユニークなアルバムを発表してます。

Bukkene Bruse」に参加後、1994年の「Felefeber」を発表。伝統音楽への回帰的な曲調が多いですが、その枠内にとらわれない意欲的な姿勢がアレンジの端々に表されています。


そんな彼女の活動の転機とも言えるアルバムが、96年の「Pisme」と99年の「Baba Yaga」。


現在も公私ともにパートナーであるプロデューサー/アレンジャーのBjørn Ole Raschと活動をはじめることにより、よりロック的なアプローチが目立つようになる。その最たるものが、「Baba Yaga」。アルバムの冒頭からハードエッジなシンフォロック。分厚いシンセサウンドに乗り、Annbjørgのフィドルが切々と歌っていく。プログレファンにもたまらない構成になっています。4曲目には、Ailo Gaup(同姓同名のX-Gameにも出たモトクロッサーもいるんですね)を迎えて、北欧の伝統歌謡、ヨイク(Joik)による呪術的な雰囲気を醸し出す。

2002年発表のライブアルバム「Aliens Alive」後は国内盤も出ず、ご無沙汰してました。幾つかアルバム出てるのは知ってたんですけど、試聴してみるとなんかドメスティックすぎる印象で、なかなか手が出なかった。ところが最新作、「Khoom Loy」は久々の大当たり!北欧伝統音楽にアフリカ〜アラブ系のニュアンスを散りばめ、爽やかなフュージョン系ジャズサウンドでくるんだ珠玉の逸品。

ペルシャ系アメリカ人のBuzuq奏者、Tareq Abboushiを迎えたオープニングの「Tareq」から雰囲気満点なエスノフュージョンサウンドを満喫させてくれます。
2曲目「The Trapezian」と3曲目の「Khoom Loy」は比較的オーソドックスなノルウェー・トラッド。4曲目の「Natten」はチェンバー系プログレチックなアレンジが楽しい。10曲目「Til」はシンフォ系アレンジ冴えるトラッド・ロック。そしてタイトル通りのゆったりとした「Psalm」でしめやかに閉じられる。


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